相続した収益物件の売却のコツ!損をしない手続きと節税対策
親などから収益物件(アパートやマンション)を相続したものの、管理が難しいため売却したいと考える方は少なくありません。しかし、相続不動産の売却は、通常の手続きに加えて相続登記や税金の問題が絡むため、非常に複雑です。本記事では、相続した収益物件を損をせずに売却するためのコツと注意点を解説します。
1. 相続した収益物件を売却するメリット
不動産投資の経験がない相続人にとって、収益物件の管理は負担が大きいです。空室リスク、修繕費用の発生、入居者トラブルなどに対応しなければなりません。売却して現金化(換価分割)することで、これらのリスクから解放され、複数の相続人で公平に遺産を分けることができます。
2. 相続物件の売却を成功させるための必須手順(コツ)
2-1. 遺産分割協議を速やかにまとめる
誰がその物件を相続して売却するのか、あるいは売却代金をどう分けるのかを、相続人全員で話し合う「遺産分割協議」をまとめる必要があります。ここが長引くと、物件が老朽化し価値が下がってしまうため、速やかな合意形成が最初のコツです。
2-2. 相続登記(名義変更)を必ず行う
亡くなった人(被相続人)の名義のままでは不動産は売却できません。売却活動を始める前に、必ず法務局で相続人への名義変更(相続登記)を行う必要があります。2024年から相続登記が義務化されているため、早急に対応しましょう。
2-3. 相続に強い不動産会社を選ぶ
一般的な不動産売買の知識だけでなく、相続税や特例に関する知識を持つ不動産会社をパートナーに選ぶことが極めて重要です。提携する税理士や司法書士を紹介してくれる会社であれば、手続きがスムーズに進みます。
3. 知らないと大損する!税金の知識と特例
不動産を売却して利益が出た場合、譲渡所得税がかかります。しかし、相続物件の売却では、要件を満たせば税金を大幅に減らせる特例があります。
3-1. 取得費加算の特例
相続税を支払っている場合、その相続税の一部を不動産の取得費(経費)に加算できる特例です。経費が増えることで売却益が圧縮され、譲渡所得税を減らすことができます。相続開始のあった日の翌日から3年10ヶ月以内に売却する必要があります。
3-2. 空き家特例(被相続人の居住用財産)
亡くなった方が一人で住んでいた家(空き家)を相続して売却する場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例です。ただし、収益物件として人に貸していた場合は適用されないため注意が必要です(賃貸併用住宅の一部など例外あり)。
4. 売却前のリフォームは慎重に
古くなった収益物件を売却する際、「リフォームしたほうが高く売れるのでは?」と考えがちですが、相続物件の場合は要注意です。投資家は自分好みにリノベーションしたいと考えることも多いため、かけた費用分だけ高く売れるとは限りません。まずは現状のまま(現況有姿)で査定を依頼し、不動産会社と相談の上で判断しましょう。
5. まとめ
相続した収益物件の売却は、「時間との戦い」と「税制の活用」が成功の鍵です。相続税の申告期限(10ヶ月)や特例の適用期限を意識し、司法書士や税理士、そして相続に強い不動産会社とチームを組んで計画的に進めることで、損をしない円満な売却を実現しましょう。