転勤になったら投資用不動産はどうする?手続きと損しない選択肢
不動産投資(あるいは自宅を賃貸に出すケース)を行っている最中に、予期せぬ転勤辞令が出た場合、所有している物件をどのように管理・運用していくか、迅速な判断と手続きが必要になります。遠方への転勤や海外赴任となると、これまで通りの管理体制を維持することは困難です。
本記事では、転勤に伴う不動産投資の各種手続きと、損をしないための最適な選択肢について解説します。
1. 転勤時に取れる3つの選択肢
転勤が決まった場合、物件の扱いには主に以下の3つの選択肢があります。
選択肢1:そのまま賃貸経営を続ける(管理委託)
現在入居者がおり、収益が安定している場合は、そのまま賃貸を続けるのが基本です。ただし、これまで自主管理(自己管理)をしていた場合は、遠隔での対応が難しくなるため、不動産管理会社に管理を委託する手続きが必要になります。
選択肢2:売却する
赴任期間が長期間(数年以上)になる場合や、現在の物件の収益性に不安がある場合、あるいは遠隔での管理にストレスを感じる場合は、思い切って売却するのも一つの選択です。
選択肢3:空き家のまま維持する(※自宅を貸している場合)
将来的に必ず戻ってくることが決まっており、他人に部屋を貸したくない場合は空き家として維持することも考えられますが、固定資産税や管理費などの維持費がかかり続けるため、経済的な損失が大きくなります。
2. 賃貸経営を継続するための手続きと注意点
転勤後も物件を保有し続ける場合、以下の手続きが必要です。
管理会社への委託手続き
管理会社と「管理委託契約」を締結します。入居者募集、家賃集金、クレーム対応、退去時の立ち会いなど、どこまでの業務を委託するか(委託手数料の相場は家賃の5%程度)を取り決めます。
確定申告の手続き(納税管理人の選任)
海外へ転勤(非居住者)になる場合、日本国内で発生する不動産所得に対する税金の手続きを代行してもらうため、日本を出国する前に所轄の税務署へ「納税管理人の届出書」を提出する必要があります。納税管理人は親族や税理士などを指定します。
住宅ローンから不動産投資ローンへの借り換え(※自宅の場合)
元々自宅として住宅ローンを組んで購入した物件を転勤に伴い賃貸に出す場合、原則として金融機関に事情を説明し、金利の高い「不動産投資ローン」への借り換え手続きが必要になります。(※金融機関によっては、転勤というやむを得ない事情であれば、一定期間住宅ローンのままで賃貸を認めてくれるケースもあるため、必ず事前に相談しましょう。)
3. 売却を選択する場合の手続き
遠隔地からの売却活動は難易度が高くなります。
信頼できる仲介会社の選定
現地に足を運べないため、物件周辺の市場に詳しく、こまめに報告・連絡・相談をしてくれる信頼できる不動産会社を見つけることが不可欠です。
契約手続きの委任(持ち回り契約など)
遠方のため売買契約の場に立ち会えない場合は、契約書を郵送でやり取りする「持ち回り契約」や、司法書士などを代理人として立てる手続きが必要になります。
まとめ
転勤時の不動産投資は、「管理体制の構築」と「税務上の手続き(特に海外赴任時)」が鍵となります。慌てて誤った判断をしないよう、転勤の期間や物件の収支状況を冷静に分析し、自分にとって最も損のない選択肢を見極めましょう。